モニュメントとしての紙の世界 “紙のフォルム / 尾川宏” 紙一重の造形

Pocket

icon-lightbulb-o 以前明治公園のフリーマーケットをふらふらしていると、気になる古書を発見。交渉したが少し高めの¥1,000で購入。しかしフリマで買うにしては高くてもその価値がありました。

 icon-desktop 作家紹介 尾川宏[ギャラリー新居東京]

204photo

icon-question-circle 尾川宏は1932年広島生まれ、戦後マネキン創作をした向井良吉に師事した。後に石や木、金属など様々な素材を使った彫刻を製作し数々の芸術賞を受賞。1967年に紙を素材にした立体作品による「紙のフォルム展」を開催。同年に「紙のフォルム」を出版。1972年には東京芸術大学の講師となり、紙に寄り添った芸術活動を続ける。90年代にはインドネシアや樺太など紛争や戦争の碑文を製作する。

icon-arrow-circle-down 1967年出版 「紙のフォルム」

204dm

icon-angle-double-right 紹介しました尾川宏の出世作と言うべき「紙のフォルム」が購入したものです。1967年発行なのでハードカバーはぼろぼろでかなり年期が入っていました。造本レイアウトを田中一光がやっていた事もあり今に成っても内容はモダンデザインというべきものです。

icon-arrow-circle-down 切ったり折ったり曲げたりと最大限に追求しています

Form_of_Paper_03

icon-angle-double-right 「紙の美しさは、一枚の白い紙によってすべてが表現されている」尾川さんは紙がどのように変化を与えられてもそこに「フォルム」として意味が見いだせる、と言っています。その一枚の白い紙が、無限の空間を遮断し、それ自体が空間への働きかけであるというコンセプトのようです。

icon-arrow-circle-down 提灯なども元々日本に古くからある紙のフォルムですよね

forms_of_paper_4

icon-angle-double-right 日本人は紙とともにそれを上手に使って文化を作って来た民族です。障子や提灯、今では世界的に「ORIGAMI(折り紙)」も浸透し、海外の小学校でも授業で取り上げられているそうです。紙のフォルムというのは日本人の遺伝子に組み込まれているのでしょう。

しかし尾川宏の作った「紙」に対しての見方は、古典的伝統であるうえに近代型造形感覚を思わせます。平面から立体へ、新しい紙の創造性を探求した新しい形だと思います。

80年代にはISSEI MIYAKEがプリーツプリーツを発表しましたが、紙の立体としての創造性に着目したのは尾川宏が初めてだったのかもしれません。

Pocket